スキーの楽しみ

対談 林 芳忠(高山レーシング顧問)× 秦麗ら(日本体育大学スキー部) 

 麗らたちが高山レーシングに入ってきた時期は一番人数が少なかったけど、その前は結構いたんだよ。今はどんどん増えてね。

 ホオノキに行った時、高山レーシングの子たちにクワッド降りたところで話してあげてって言われたけど、一人もわからんかった。でも、ちっちゃくて可愛い子がいっぱいで絶対楽しそう。

 俺はたくさん滑るようにしてて、先シーズンは41日滑ったんだ。ポール練習をしなくても、ただひたすらフリーを黙々としてたら、ある日大会でスタートしたらいきなり板がグリップして滑れるようになった。そうすると、どういうラインを通ろうとか、いろんな動きができるようになったね。でも、ホオノキなんかでは、うまくいく時とダメなときがあるんだよな。

 ホオノキはスタートして緩斜面に入るまでにタイム決まるん
で、上をムッチャ頑張って緩斜面をおとなしくして、最後の斜面
もおとなしく滑ってくるってのが一番。

 麗らはホオノキのFISで優勝したっけ。

 FISで2勝しました。

 すごいね。賢吉コーチなんかも当時、優勝してたと思ったな。レースで1本目ラップだと2本目は30番目に滑るじゃない。俺も先シーズンの東海社会人で、そのクラスの中で1本目ラップだったのよ。抜かれたらショックだし、2本目一番最後に滑るっていうのは、すごいプレッシャーだった。トップの選手っていうのはそれで勝っていくんだから、メンタル強くないといけないんだな。

 麗らは大学のコーチがいるの。

 一応お願いしているコーチはいますけど、結構変わります。

 どういう指導なの。

 1本滑ったら何かしらアドバイスをくれますけど、コーチによっては自分から聞いてこなかったら何も言わない人もいるし、丁寧な人はみんなにいろいろ話す人もいます。私の場合は、昔から教えてもらっている岩谷さんだと私の滑りを知ってて、癖とか悪い所とかわかってくれてるので、自分が意識することを喋れば、ちゃんとしたアドバイスがもらえるんですけど、大学のコーチは変わるので、自分を知ってもらうのに、その都度一から自分の説明をしないといけないです。だからゲート練
習を自分で考えながらやるっていう選手もいます。

 大学生になると練習環境ってガラッと変わるんだろうね。

 高校の時は、先生が練習の手配を全部してくれていたけど、今は自分たちでスキー場にお願いして、ポール持っていって、セットをお願いしたり、宿の手配まで全部するので大変です。岐阜に帰ってくると、高山高校や工業にお願いして、練習に入れてもらうんですけど、いいよって言ってくれるので嬉しいです。

林 個人競技だけど、チームでやらないと全然練習できない。そういうスポーツなんだよね。環境を手に入れるのは大事だね。でもそうやって大きくなった選手が、次の新しい子どもたちを教えるっていうのは理想的だよね。

秦 麗ら Hata Ulala
日本体育大学スキー部女子主将。高山レーシング出身。2014年ジュニアオリンピックSL優勝。2014年全中GS3位。2016年第65回インターハイGS7位。2017年国体8位。第92回インカレGS4位。第98回全日本スキー選手権SL14位。

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